先生、教えて。
「お前、漫画家になりたいんだろ?
何で中学教師?」
と、知った時に若干問い詰めるように尋ねたっけ。
二菜はごくあっさりと頷いて答えた。
「安定してるから、これから翔悟を支えていく上ではベストな職だと思ったの」
それに…
そう続けて二菜の頬は心なしか赤くなった。
「教師になりたい。
翔悟みたいな、真っ直ぐな先生になりたい」
俺は虚を突かれてその場に固まった。
凝視しているせいか、二菜の表情が不安そうに曇る。
「ごめん。そういうの、嫌だった?」