先生、教えて。




「お前、漫画家になりたいんだろ?
何で中学教師?」

と、知った時に若干問い詰めるように尋ねたっけ。


二菜はごくあっさりと頷いて答えた。


「安定してるから、これから翔悟を支えていく上ではベストな職だと思ったの」



それに…


そう続けて二菜の頬は心なしか赤くなった。





「教師になりたい。

翔悟みたいな、真っ直ぐな先生になりたい」



俺は虚を突かれてその場に固まった。

凝視しているせいか、二菜の表情が不安そうに曇る。



「ごめん。そういうの、嫌だった?」




< 333 / 354 >

この作品をシェア

pagetop