生きたくなんてなかった
俺らがこんな風に話していた時
「どうだね具合は」
「俺、助かったのか?
なんで生きてるんだ………」
集中治療室では、要人が目を覚ましていた。
「この病院で自殺なんてさせるわけがないだろ
それに、そんなことをしたら悲しむ人がいるんじゃないか?」
「俺にはいないよ、そんなやつ…」
「橋本、紀本この二人が悲しまないと?」
ーーー
俺と紀本の名前を聞いたとき、あいつは静かに涙を流したらしい。
その話を聞いたとき、先生に言われたんだ
「綾女と一緒に居てやれ。
あのこはバカなことばっかりしてるけど、本当はさみしがりやなんだよ」
って。