生きたくなんてなかった
「ゴホンッ
ねぇ、男の涙ってキモいよ?」
何となくいい雰囲気だったのを壊したのは、紀本のこの一言だった。
「おい、柚…」
なんて、要人がそんな風に言うから笑いが生まれた。
「ありがとな二人とも!
俺頑張るよ、自分の病気と戦う」
「「辛くなったら頼れよ」」
紀本と同時に同じことを言ったもんだから、また笑いが生まれた。
俺と紀本、それに要人
この三人で、この場所でずっといたい。
そう心から願っていた。
それが叶えられなくなったあの日まで…