生きたくなんてなかった




「両親が死んだのを見つけたのは俺だった。
すぐに妹も知ることになったけど、俺は寄り添って倒れてる二人を見て

無責任だろ……

それしか思わなかった」


俺って最低だろ?


自虐的なことを言いながら笑った要人は、いつものバカな感じは全くなかった。


「……」


何も言えない俺を見て、あいつは話を続けた。


「両親が死んだとき、俺が妹を守っていかなきゃいけないって、そう思った。
だけど、それは出来なかったんだ…
俺も白血病にかかっちまってたからな」


結局、幼かった妹は、病気に勝てなかった…


享年7歳


綾女未来


未来とかいてみく、彼女は多くの未来を見ることはなく、要人が12の時亡くなった。


両親が死んで二年たった、3月8日の朝日が昇るとともに…








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