生きたくなんてなかった




この話を聞いた次の日から、要人はいつも通りのバカなやつに戻っていた。


俺はそんな要人に何も言わなかったし、あいつもそれを望んでる気がしたから。


それでも、探してたんだ。


あいつに何か出来ることはないかって…



そんな時だったよ、柚のことを知ったのは。


柚と面会して無邪気な寝顔で眠る妹を、このままずっと見ていたいって思った。


だけど、植物状態で人工的に生かすことになしかしらの抵抗を覚えたのも確かだった。


それでかな?


すぐに答えが出たのは…


「先生、柚の骨髄を綾女に移植するとこはできますか?」


俺の言葉に先生はすごく驚いてたよ。


だけど、すぐに医者の顔になってた。


「それは適合し、本人又は家族の同意を得られれば可能だが…」


「だったら、検査してください。
適合するかの、移植が可能かの検査を」


最後まで言い終わらないうちに、俺は言葉を遮った。


そのあとに何を言われるのかが想像できてたから……








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