生きたくなんてなかった
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「恭ーーー乎ーーー
柚ちゃんのとこ行こーぜ!」
うるさい…
「私もいくー」
来るのはやいな…
「二人とも悪いけど
今日は俺1人で行かしてくれないか?」
「「えー」」
二人揃って同じこと言うなよな…
でも、今日はだめだ。
「明日一緒に行こーぜ?」
俺がいつもと違うってことを感じたのか、二人は渋々と言った感じで了解してくれた。
二人と別れ、1人柚の部屋に向かう。
「な、柚。
おにぃは間違ってるか?」
返事なんて帰ってこないのに、それでも話しかけた。
どこかで目を覚めるんじゃないかって願ってたから……
要人にはあんな風に言ったけど、俺だって柚なら目を覚ますんじゃないかって思ってる。
でも、目を覚ましたとしてどうすればいい?
まだ七歳の柚に
父さんと母さんが死んだなんて、どう説明すればいいんだよ……
「柚……」
ツー
一筋の涙が流れた。
柚の目から…