生きたくなんてなかった




「綾女、今の自分の状況分かってるね?」


あれから1週間たった今日


俺は先生に呼び出された。


「分かってます」


今体がかなり怠い……


二人には言ってなかったけど、白血病がかなり早いペースで俺の体を蝕んでるらしい


「君にドナーが見つかった。
検査もして、移植可能という結果だ」


柚ちゃん…


俺と同じ血液型だったんだ。


しかも移植可能って、すごいな


「俺は受けませんよ」


先生は分かってたのだろうか、俺の言葉に驚きもせず


「移植しなければ死ぬかも知れないんだぞ?」


まっすぐ俺を見てそういった


大澤侑亜先生


俺の主治医であり、柚、恭乎、柚ちゃんの主治医でもある。


「俺は死にませんよ?」


先生の言葉に笑ってそう返した。


俺は死なない


絶対に………






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