生きたくなんてなかった
ピーピーピー
規則性のある音を聞きながら
なんでだ?
考えるのはそればかりだった
隣では紀本が
要人に覆い被さって泣いている…
数時間前…
笑ってたのに、息なり倒れた要人
「危ないかもしれない」
それだけを言われた。
要人、お前生きるんじゃなかったのか?
それなのになんで今、そんな風に眠ってるんだよ…
「要人、要人……」
紀本の泣き叫んでる声だけが、病室にひびきわたる…
「…恭乎、ごめん。
治療を受ける時間だからいくね?」
でも、その叫び声もなくなった。
シーンとした病室
「今からでも手術を受けさせれば助かるかも知れない………」
倒れたとき先生に言われた言葉が脳裏によぎる
「だけど、それをしても既に手遅れの可能性もある。それでもするかね?」
先生はいつも俺に選択を強いいる。
それもいつも最悪な選択を…
だけど、自分のなかではもう決まってるんだ。
「ごめんな、要人…」
それだけを残し、病室を後にする・・・