生きたくなんてなかった
それを返し、
「今から橋本柚の骨髄を、綾女要人に移植する
すぐに準備に取りかかってほしい!」
どこかにそう伝えてる先生の声を、ただ聞き流していた。
要人、悪いな
お前が死んじまうのは耐えられないんだ
柚の病室に移動すると
バタバタバタ
「恭乎!!
どうしてなんで手術することになってるの?」
いきなり入ってきた紀本は俺の胸ぐらを掴んでくる。
そういえばこいつには何も話してなかったな
なんてそんなことを思った。
「柚が「恭乎、そろそろいいかな?」」
紀本に説明しようとする俺の言葉を先生が遮った
「いいですよ
……紀本、行こう」
「う、うん」
先生に頭を下げてから、俺と紀本は柚の病室をあとにした。