生きたくなんてなかった
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迎えたその日…
11月16日
柚の病室に集まった、俺、紀本、要人
気まずいままで迎えたこの日。
先生が安楽死させるための薬を点滴に流し、後は言えば柚ん心臓が止まるのを待っているだけ
そんな時間が流れてる今
俺は柚の側で、柚の手を握っていた。
暖かいこの手が、いつかは冷たくなってしまうなんて、思いたくもなかった。
ピクっ
僅かに動いた指…
そして、瞼も動く。
ーーー
空気がざわめいた。
「おにぃ」
柚が目を覚ましたのだ…
「先生呼んでくる!」
そう言って立ち上がった紀本を止める。
「なんでよ!」
怒る紀本の耳に
ピーー
聞きたくもない機械音が届いた。