生きたくなんてなかった

3





それからまた月日は流れ


要人は一人暮らしをしながら高校に通い始めたと聞いた。


「柚のこと頼んだ」


その事をいいに来たとき、そう言われた。


高校に通い始めると毎日のようにお見舞いに来ることが出来なくなったからだ。


それでも出来るだけ顔を出す要人に


「あんま無理するなよ?」


そう言うと、


「俺はあいつの傍にいてやりたい。
あいつは、俺が苦しんでるときにそばにいてくれた。だから今度は俺があいつを守るんだ」


真剣な目でそう返してきた。


こいつは紀本に恋をしてるのか?…


そんな風に思うくらいあいつの目は真剣だった


いつもの不真面目な要人がこんな目をするのは、病気のことを話してるとき。


それと、大切な人のことを話してる時だから…







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