生きたくなんてなかった
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何も思い出せないまま、目が覚めてから1ヶ月経っていた。
この頃には歩き回れるくらいの体力は戻っていて、入院してるやつと仲良くなったりした。
「きょーやーー!
あそぼーぜっ」
個室だった部屋が大人数の部屋に移されたのもこの頃で、同室の
「うっせー!
綾女、お前は……」
「もー、恭乎たらー。
俺のことは要人って呼んでくれって言ってるだろ」
綾女 要人とは親友と呼べるくらいの仲になっていた。
「もー、あんたたちうるさいよっ!」
隣の病室から来たんだろう。
「おー、柚。
お前も一緒に遊ぼうぜ」
「紀本、こいつに何言っても意味ないってそろそろ気づけよ」
紀本 柚、こいつとも結構仲良くなった。