生きたくなんてなかった
第四章
2人での生活が始まって半年
紀本の残り時間1年
「要人遅刻すんぞ!」
「今行く」
そんなこんなで生活出来てます。
お互いバイト三昧でかなりヘトヘトだけど…
紀本は集中治療室から出て、個室に戻っていた
きつい抗がん剤治療に耐えながら、生きよう生きようって必死に毎日を過ごしてる。
「きょーや!要人!」
高校までの道を歩いてると、同じクラスの蒼山奏と合流した。
奏とは中学から同じで、要人ともすぐに打ち解けた。
「きゃーー」「かっこいい」
高校に近づくにつれ大きくなる黄色い声
要人と奏は学校でかなり有名になっていた。
二人ともかっこいいからな…
苦笑いを浮かべながら、二人の数歩後ろを歩く