生きたくなんてなかった




「とりあえず、お前ら二人外に出ろ」


「「なんで?!」」


揃って不思議そうな顔をするから、呆れてため息しかでない。


「ここはお前ら二人しかいない訳じゃないだろ?
他の人たちの事も考えろって事だよ」


「あー、成る程」


成る程ってお前…


「恭乎って変なとこ真面目だよね」


変なとこってなんだよ、変なとこって…


「お前後で覚えてろよ」


「「えっ?
逃げよっと………」」


バタバタバタっ


だからそれが煩いんだって…


自然にこぼれる笑みを隠しながら、病室にいる他の人たちに謝りを入れてから、二人を追った。






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