生きたくなんてなかった




その瞬間耳まで真っ赤にするから、面白い


「おい要人、紀本「あーーーーー」」


紀本の慌てように笑みが浮かぶ。


「自分で言うから。
恭乎は黙ってて!」


「はいはい」


心が痛い


自分でしたことなのに、背中を押したのに、キリキリと心が悲鳴をあげる。


要人より先に出会ってれば


そんなことすら考えてしまう。


「要人、恭乎。
私の余命の期限は半月前に過ぎた。
今の私はいつ死んでも可笑しくない。

それでも口に出していいなら、恭乎ごめんね。
要人、私もあなたが好きです」


「え、おれ?」


紀本の返事にすっとんきょうな返事をした要人


「ふっ。
俺、帰るわ。ごゆっくりー」


のことを置き去りに病院を後にした。


分かってたことだけど、やっぱり苦しくて


涙が頬をつたる。



それでも、前を見て歩いた。






明日へ…










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