生きたくなんてなかった





家に帰ってきた俺はそのノートを開いた。


二冊のうち一冊を俺が、もう一冊を要人が持っている。


それを二年に一回ぐらい交換してお互い一冊ずつ持っている。


10年


その長い月日で俺は結婚し子供にも恵まれた。


要人も職について、自分の道を歩いている。





生きたくなんてなかった



両親を亡くし、妹を殺した俺、


病気になり、両親、そして妹を亡くした要人


病気に蝕られ命を落とした紀本




それぞれ少しだけ違っていたら、全く未来が変わっていた。



そんな3人が出合い


恋をして


たまに喧嘩して過ごした。



長くて2年半、短くて1年半


この人生の少しだけの部分にはたくさんの思い出が詰まってる。




忘れることの出来ない



大切な思い出…







生きることの大切さを知るための期間・・・






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