[短編]美容師だって恋をする
選考の控室

今日でリハーサルも終わり

メインのモデルが発表されるんだ。

カイくん・・・

るみはカイくんを連れてやってきた。

久々に見たカイくんは、

少しだけ大人びていて

るみの勝ち誇った笑みは

正直憎い。

でも・・・こんなことで怒っちゃダメなんだ。

笑顔が輝けなければ

モデルではない。

私はいつからか

自分の感情も消して

ただただ、輝く笑顔を作る努力に専念した。

泣きたくってしょうがない日も

笑いたくない日も

努力と訓練でできるもんであって

でも、さすがに

カイくんだけはかなわない。

私は、まともに笑顔が作れない。

るみはそれを察してか

私に近づいてくる。


「マミ・・・出るんだね。ショーに。

誰のコネで? たいしたもんだね。」


「は?・・・・」私はあなたとは違うから。

るみは相変わらずな態度だった。
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