[短編]美容師だって恋をする
会場までまた来てしまった僕

ショーは終わり

会場周辺は帰る客で混み合っていた

楽屋口からマミに連絡する

でも、なかなか返事もなく・・・

「あ・・・みーちゃんだ。」みーちゃんを呼びとめマミのことを聞く。

「だいぶ前に慌てて帰ったよ。」

僕は急に焦りだして

マミを探し始めた

「もしかしたら、僕に店に来ているかもしれない。」

電話・メール・・・・連絡し続けても応答がないから

でも、僕は連絡し続けた。

新宿まで戻ると

夜の新宿はまだ若者が多くって

それでも、急いで店まで戻った。

雨は強く降り続け

僕はもうずぶ濡れになり

夏だというのに

身震いがした。

店までの階段を降りると

うずくまっている一人の女性

「マミ」

僕は呼ぶと

マミは

ただ、泣き崩れていた・・・・




「泣きたいのは・・・・

 僕のほうだけど・・・

 先にこんなに泣かれては

 僕は泣いてはいけない。

 どうして泣いているのか

 教えてくれよ・・」


しばらくマミはだまっていたけど、

こう言い出した・・・。



「・・・・カイくんに・・・・

 正式に・・・・

 フラれました。」




悲しげに泣くマミを見て

僕もようやく泣けてきた。

大好きな彼女が泣くのは

見ていられないよ。






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