お前は僕の所有物…【BL】
誰だか教えてあげようか
千佳花sideー

薫…

目が覚めた薫は、僕を覚えていなかった
唯々僕を見て、握っていた手を振り払った

水野が記憶確認をしていた。
薫は僕どころか全員覚えていなかった。
いつ記憶が戻るかわからない記憶喪失…

あと何時間待てば僕らは幸せになれる…
あと何時間待てば…お前は楽になれる…

「佐賀さん…?泣いてるんですか?」
「そうだね…君からのキスが嬉しくて」
「嘘…」

お前が受けた悲しみや辛さを
僕も同じだけ背負えるといい…

なんで…薫だけ…

「俺…佐賀さんと初対面…ですよね?」
「知り合いだったんだよ…」
「そうなんですか…
早く思い出せるといいな…」

ニコッと笑う薫に僕はなにも言えず…
ただ俯いた。
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