お前は僕の所有物…【BL】
「やだね」

えっ…?
言ってから一秒も経たずに
千佳花はそう言った…。

「僕が誰と居ようと僕の勝手だし…」

駄々を捏ねる子供の様に、
俺にギュッと抱きついて、
千佳花は

「お前をもう離さない…
お前はずっと僕の側にいればいい…」

とブツブツ唱え始めた。

「兄さんに何を言われたって…離すか…」
「でも!千佳花だって彼女とか
奥さんとかできるでしょ!?
許嫁もいるでしょ?
…俺となんかいれなくなる時がくるでしょ…?」


最後に言った言葉は
自分で傷ついた。

そしたら、
千佳花は黙って俺を抱きしめた。

「好きになるのも…奥さんになるのも…
女じゃねー…お前だ」

「へ?」


真剣な顔をして言う千佳花に
俺は間抜けな声で返事をした。
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