お前は僕の所有物…【BL】
薫…俺はね…
お兄ちゃんを想っている内に
千佳花さんの存在が邪魔になった…

お兄ちゃんは、
千佳花さんを思い出した時
すごくすごく切なそうな顔をしていた。

無表情だったけど…
すごくすごく切なそうな…

だけど、そう見えるのは俺だけだよ…
刑事さんも看護師さんも…

お兄ちゃんの表情は
俺にしかわからないよ…

千佳花さんの家に帰ってきた瞬間に
目にしたのは、抱き合っている二人…

叫ぶ事も忘れたよ…

だってお兄ちゃんが縋ってるんだ…
きっとお兄ちゃんは気付いてない

お兄ちゃんの手が千佳花さんの服を
掴んでいること…

やだよ…こんなモヤモヤ…

やだよ…こんな気持ち…
「お兄ちゃん…俺を一人にしないで…」

そうやって一言呟いて
俺の為に用意された部屋にこもった。
お兄ちゃんが来たら開けてあげるけど

予想外の人がくるのは許さない…
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