お前は僕の所有物…【BL】
「おはよう…」

目に飛び込んできたのは、机の落書き。
中学からなんにも変わってない…

そういえば千佳花が鞄おいたら来るって
言ってたっけ…

いいや…机の上に鞄を置いたら隠せるし…

「薫!おはよう!」
「おはよう…圭一…」
「暗いな? なんかあった?」
「別に…」

絡んでくる手を払い
俺はずっと廊下を見ていた。
千佳花が来る筈の廊下を…

「薫…?」

圭一が手を掛けようとした時だった。

「遅れてごめんね、薫。」
「千佳花っ…」

千佳花が来てくれた。

「大丈夫?なんかされたの?」
「ううん…平気だよ」
「そっか」

他愛もない会話。

俺は時が止まればいいと思っていた。
ずっと時が止まればいいと…

流石にイジメに遭いました。なんて
軽々しく言える訳もない…

「佐賀先輩!どもっす!」
「おはよう、えーっと…五十嵐君?」

千佳花が、圭一を睨む。
笑ってるけど、
俺には睨んでるように見える。

「千佳花…ちょっといいか?」
「利明…なんの用?」
「学級委員だバカ!」
「先生が呼んでるってこと?」

千佳花はめんどくさいっと言いつつも

「行かなきゃいけないから、
またあとでね」と言って行ってしまった
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