お前は僕の所有物…【BL】
「お取り込み中失礼致します」

「田中…てめぇ…」
「!!!」

急にノックして田中さんが入ってきたから思わず、千佳花を突き飛ばした。

「薫っ!お前!
今更恥ずかしがるな!!!」

「千佳花様、千沙斗様からお電話が…」
「ちっ…」

千沙斗?聞いた事ない…
千佳花は一人っ子じゃないの?

「ちょっと行ってくる…」
「行ってらっしゃい…」

毛布に包まりながらも
俺は大山を抱きしめながら
千佳花の帰りを待った。

「千沙斗様は…」
「?」
「千沙斗様は、
千佳花様の兄に当たる方です…」

お兄ちゃん…

「ですが…千沙斗様と千佳花様は
腹違いでして…

千沙斗様のご婦人と旦那様が離婚後…
千沙斗様はイギリスで、

母型の会社の後継者へ…
千佳花様は佐賀財閥の後継者へと
なりました…」

千佳花にも兄弟がいたんだ…

「じゃあ…帰国って事は…」
「はい、お屋敷に帰ってきます…」

じゃあ…俺と守琉は邪魔になるかな…

「あの…
俺ら出て行った方がいいですか?」

「…それは千佳花様と交渉を……」

「えっ…?」

「千佳花様は千沙斗様を嫌っています
昔からそうでした…
千佳花様が好意を持ったモノを
力尽くで奪うのがご趣味でした…

ですから、千佳花様は貴方を束縛してまで側に置きたいんでしょう…」

田中さんは熱心に、困ったように
俺に話してくれた…

「千佳花様が貴方を屋敷外に
出すとは到底思えません…」
「それは…俺も思います…」

千佳花…俺どうすればいいの?
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