お前は僕の所有物…【BL】
苦しい…悲しい…寂しい…

君がいないだけで…

すごく悲しくて…寂しくて…恋しい…

なのに…君を思い出せない…

誰を愛していたのか…
誰にこんな感情を抱いていたのかすら…
わからない…だからこそ苦しい…

こんなに愛しく思っているのに…
なにも思い出せない…

目も開かないし…体も動かないし
息もできない…

ねぇ…俺は…誰?

『薫!』

君は…誰…?

『ずっと…**だよ!』
『うん!***大好き!!!』

なんでこんなに苦しいの…
なんでこんなに寂しいの…
なんでこんなに愛しくて…
なんでこんなに想っているの…?

誰が誰を?何が何を?
わからない…

ーーーーーーーー

「起きてくれ…目を…開けてくれ薫…」

ぎゅっ…

握り返された手に僕は期待して
薫の方を見た…

「かお…る…?」
「………」
「か…お…る…?」
「ん…」

起きた…薫が起きた…

「待ってて先生を呼んでくるから!」
「…」

薫は僕を見て、繋いだ手を見た。
そして、薫からそっと手を離す…

嫌な予感が過ったが…
水野を呼ぶことが先だ…

僕はそのまま病室を出た。
< 95 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop