お前は僕の所有物…【BL】
「自分の名前は?」
「…」
「僕の名前はわかる?」
「水野…結季先生…」
「ネームプレート見ちゃダメでしょ!」

男の人がいっぱい…
前にもあったっけ?

「じゃあ、この子の名前はわかるかな?」

さっき…俺の手を握ってた子だ…

「わかり…ません…」
「じゃあ…この子は?」
「お兄ちゃん…」

お兄ちゃんって事は…弟なのかな…
兄弟居たんだ…

「…弟さん…」
「…記憶喪失だね…」

記憶喪失…

「全部忘れちゃってるから、
やっぱり脳への衝撃が酷かったのが原因だね…」

「あの…俺、大事な事を忘れてるんです!
思い出したいのに思い出せなくて…」

取り乱した俺を抑えて
水野先生は、
「ゆっくり思い出して行けば大丈夫!」
と笑った。

「僕は千佳花…佐賀千佳花」
「佐賀…さん?」
「そう。それで君は、綾瀬薫」
「俺は…薫…?」
「そう」

佐賀さんはすごく丁寧に
教えてくれた。

大きなクマの縫いぐるみも持ってきてくれた

「この子は大山、君が付けた名前だ」
「大山…なんだか…安心します…」
俺は熊に抱きついた。

「じゃあ、今日は帰るね。」

そう言って佐賀さんが帰ろうとした瞬間に、俺は佐賀さんに問いかけていた。

「手を握っててくれたのは…
どうしてですか?」

すると佐賀さんは、
「気の迷いだよ」と言って行ってしまった
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