私たち ~2人の関係~
無言で歩く俺に


『ちょっと!!』


加野の怒ったような声が聞こえるけど


『ちょっと黙って』


もうどうでもいい


屋上へ続く階段の1番上まで連れて行って加野の手を離した


少し広くなっているこの場所は下からは見えなくなってて


ここならゆっくり話せるはず


加野は少し戸惑ったように「…なんなの?」と俺に聞く


冷静に話すつもりだったのに


『お前も何なんだよ!!』


そうは出来なくて


『え?』


『俺の事なんて全然気にしてないって顔してるくせに
俺が女と話したら怒ってみたり
マジで意味わかんねぇからムカつく』


『…べ…別にあんたが女の子と話してたから怒ってたわけじゃないし』


加野の話しを聞いても全然冷静になれない





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