アルデンテ~君の知らない物語~
 キャンプの集合場所は、大学集合ではなく、音楽館集合だった。

私は張り切りすぎて、一番についてしまった。

車から降りると「あら~!れもん!おはよう!」

スタッフが出迎えてくれた。

「おはよう!」

参加費を渡して名札を受け取った後、仲良しのスタッフと駄弁っていた。

「あ~!マリヤ!おはよ!」

しばらくするとマリヤが来た。

マリヤとは学校が同じだし、小学校の時イツメンだったので、とっても話が合う。

なちゅの長は韓流スターみたいなトム。
ゴリラみたいでAKB好きなシカゴ。
ハスキーだけどかわいくて陸上部のひめ。
トムに顔がにてる くろへー
野球大好きな、アシタカ
えれぴょんに似てて、華奢なわかにゃん
パッキンキンのスシロー
ぽっちゃりガーリーなちーず
イケメン?なハク
茶髪で天パの、ウサ
黒髪美少女さりー。
色白で背の高いしずく
馬面まーじ
小柄でかわいいキキ
ツインテールのほまれ
超小さいローズ
巨人 バンビ
アンパンマンみたいでやさしい、やまお
超イケメンでエロそうななおB

これが今年のナチュのスタッフ。

それに子供が20人ほど。

みんなでバスに乗って、いざしゅっぱーつ!

私とマリヤとモモとシカゴとトムで、後ろの席を占領!

映画を見ながらキャンプ場へ。

毎年恒例の、トムとシカゴとエロい話をする。

こういうのが好きなお年頃なんでぇw

2時間半のバスも、あっという間だった。

私バス酔うから、後半はほとんどグロッキーだったし。

キャンプ場にとうちゃーく!

管理人さんに挨拶して、各自バンガローに荷物を置いて、広場で竹水鉄砲を作った

やまおと、まーじとしゃべってた!

私が作ったみず鉄砲は、逆流せずにしっかり飛んでくれた。

作った後は、マリヤとももとハンモックで遊んでた。

夏の外はアスファルトの焦げたにおいがするけど、キャンプ場だから土のにおいとおひさまのにおいがした。

お昼ご飯。外で食べるご飯は、すっごいおいしかった。

ご飯を食べたら、みんなで、レクレーション。

そのあと。料理開始!

私の班は休みの子が多くて、子どもたった3人。

ひめとわかにゃんとウサに料理を手伝ってもらってやまおと私は火おこしをしていた。


やまおは、キャンプ終わったらすぐにアメリカに1年間留学しに行くんだって。

だからしばらく会えないね、って。

やまおは私が4年生の時からいて、すごく仲良し。

いろんな話をしてきたね。

来年まで会えないの、少し寂しいな

火はおきたけれど、食材がまだ切れてない。

私は軍手を外し、ももが座ってたところに行った。

「ももぉー」

「あー!玲奈!火おこし終わったん?」

「うん!だべろー」

ももの隣にすわってるスタッフ。誰だっけ?

目が切れ長で、でも大きくて、鼻が高くて、小麦色の肌はいかにも健康的で、唇はとてもきれいな形をしていた、誰から見ても、イケメン。

「うん?俺。れもんひどいなぁー!なおBっていうの!」

「なおB!うん、初めて聞いた名前かもーwこんなイケメンなスタッフいたっけ?」

「いるしー!ここにイケメンスタッフいるし!」

顔は整っているのに、笑うとえくぼができて切れ長の目は一直線になって、可愛い。しかも目をみて話す人。

話していて楽しい。 こういう人、モテるんだろうな。

「もも、いいなーこんなイケメン同じはんとかー私の班ウサしかいなーいw」

「いや、うさも痩せたらかっこいいやろw」

「えーなおBのほうがかっこいいよ!」

「やろーww」

それから私となおBはももそっちのけで、いろんな話をしだした。

好きなバンドの話や、恋バナ。野球の話。

「野球ってかっこいいよねー!」

「あたぼうよ!おれピッチャー!」

「マジ!?イケメンでピッチャーとかなんなの?!」

「野球いいよー。俺野球一筋!甲子園いけなかったけどw」

「そーなんだ。こうしえんかぁ」

ちょうど、きぃに借りた少女漫画「青空エール」にはまったころ。

野球ってかっこいい!そう思い始めてた矢先に、こんな漫画みたいな人と出会うなんて。

その時はまだ、思わなかった。「楽しいスタッフ」なだけ。

でも違う。

このころからもう私は、きっと好きだったんだ。



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