日々共に一緒に笑おう
逃げた、ままにしておくのは、許し難い。
あんな格好で跳ねていたら、へんな虫がつく。
……彼女には既に、最もいやらしい虫が付いているわけだけれども。
「すみません、捜してきます」
「ああ、別に構わねぇよ?適当に歩いてりゃ見つかるだろ」
凱司はそう言うけれど。
ちらりと見た父は、苦笑混じりに首を横に振っていて。
友典は、そうだよなぁ…と小さく頷いた。
頭ひとつ分も、ふたつ分も高く、こんなに目立つのだ。
ちらりとでも見えたら、雅はまた逃げるに違いない。
当然、凱司が気付く前に。
「とりあえず教室行ってみよ」
俺も高校、ちゃんと行っときゃ良かったなぁ。なんか、楽しそうだ。
再び別の女生徒から、別のビラを受け取った鷹野は。
目の前で歓声を上げてはしゃぐ 女生徒の集団反応に照れる事もなく。
後で行くよ、と微笑んだ。