日々共に一緒に笑おう
おぉ…?
真ちゃんの爪弾くチューニング音が、いつの間にか。
ゆるりとした旋律を、紡ぎ出す。
「そのまま真也歌ってみて」
「うぃ」
携帯を手放して、哲はお土産に貰ったばかりのベルモットを開封した。
「それ、ギブソンにして~」
「…シェイカーねぇっていつも言ってんだろ」
「じゃあマティーニでいい」
「ん」
蜜は?
と、哲は一応私にも訊いてくれるけど…。
「…氷水」
「……………」
チクショウ。
男同士で…私のわからない話ばかりしやがって!
絶え間なく響く、小さなアンプからの、小さな共鳴音。
爪弾く、生の音。
ノスタルジックな、オルゴールと同じ曲。
ピアノで聴いた、哀しげな響きではなくて、真ちゃんは。
いくつかのパターンを試し弾きして。
可愛らしい、コミカルな調で。
歌い出す。