日々共に一緒に笑おう
じゃあ、お嬢さん。
凱司くんは冷たいさくらんぼが好きだから、それ、冷やしてあげてね。
それから、凱司くんがあまり酷いことをするようなら、うちにおいで。
ああ、来週、ラオスに行くんだけれど、お嬢さんも来るかい?
「行かせねぇよ!」
来んなって言ってんだろ!?
用があるなら俺が行くから!
頼むからひとりでウロウロすんなって!!
「えぇ~」
「ああもう!!! 雅!しっかりしろ!龍司はとっとと車乗れ!」
ぐすり、とベソをかき出したらしい雅を抱えたまま、凱司は。
父親の乗って来たらしい車の後部座席のドアを開けて。
彼を突き飛ばすように、押し込んだ。
ああもう、なんなんだ一体!本家まですぐ迎えに来い宇田川!
と、電話の向こうに悪態を吐きながら。
泣くな!!
と、雅の頭を強く抱きながら。
~終わり~