日々共に一緒に笑おう
さすがに、校内鬼ごっこをする事もなく、あっさりと逃げ切った雅は。
体育館の隅で、息を整えた。
「…はぁ……びっくりしたぁ」
「あなたがそんな格好をしてるから……」
「だって…来るなんて思わなかったんです」
友典さん…ごめんね?
鷹野さんたら…いつもおかしな事ばかり言って。
嫌いとかじゃ無いはずなんですけど…。
手は、繋いだまま。
雅が掴み、引っ張られるままに走って来た。
ただ逃げるならば、ひとりで走ったって良いのに、一緒に逃げることをとっさに選んだ事に。
友典は、密かに優越を感じる。
捜す手間を考えてくれただけ、だとしても。
鷹野一樹の目の前で、雅が自分の手を選んだ事が、思いのほか、嬉しかった。