日々共に一緒に笑おう
きっと、また見つかるのだろうし、帰宅すれば鷹野一樹に、独り占めされるのだ。
校内に居るときくらい。
こんなささやかな優越感くらい。
楽しんでも、いいじゃないか。
「…雅さん、綿飴……食べませんか?」
彼らの姿を見かけたら、一緒に逃げましょう。
だから、綿飴を買って。
ほら、ブラスバンド部の発表が始まりますから。
一緒に、観ませんか?
彼女は他の男に夢中だけれども。
自分は決して、生々しい想いは抱いてはいない、けれど。
せめて、自分が卒業するまでは。
そばに、いたい。
手を繋いだまま、にこりと見上げて頷いた雅に、友典は。
では急いで買いに行きましょう、と。
雅も見たことの無いような、柔らかい笑みを、浮かべた。
~終~