日々共に一緒に笑おう
持ち帰られたり、られなかったり。
ライブでしか見掛けない、あの女の子。
黒い髪を長く伸ばして。
大抵、ひとりで。
ゆっくりと笑うその顔に、媚びる色が浮かぶことは、ない。
「…そろそろ…マジで俺の番かな」
あまりに哲が、目で追うものだから、俺まで気になって。
前回は誰に送られて、どうだったのか、そいつから聞いたりしちゃって。
結局は、ヤリマンだ、という以上の情報が出ない事に、どことなく、苛ついたりもしていた、から。
「俺、連れてくるわ」
「……」
そう決めた俺を見た、哲の、目。
何かを決めかねているけれど、今すぐ答えを出さなきゃいけない時のような、焦りを浮かべた、目。