日々共に一緒に笑おう
なんか、ちょっと。
ドキドキする。
狭いからこその距離なのはわかるんだけど、額を掠める体温はともかく。
私の膝に重なるような体温が、近い。
目の前を行き来する指の気配。
目くらい閉じろ、なんて、またわざとらしい言い方で、私の顎を上げさせた、彼は。
「…やっぱ“真ちゃん”でよろしく」
と。
もしかしたら、呼ばれ方を考えていたのかも知れない。
自分から指定するには、いささか可笑しい気のする、呼び方。
「…“真ちゃん”?」
「なぁにー」
「……呼んでないし」
「呼んでよ」
唇についた髪を払われて。
むに、とそのまま、指先で押される。
「よし、こんなもんだろ」
目、開けてイイよ、と言われた私は、素直にそうして。
思いのほか至近距離にあった目に、思わず身を引いた。