日々共に一緒に笑おう
クラリネット奏者達が、クリスマスキャロルを奏でる。
周りを見回しても、睦まじくクリスマスイブを楽しんでいるカップルしかいない。
「で、イブの夜にお前はその女の所に行かないのか?」
鷹野の話はもういい、とばかりに、目の前の弟を見やった。
悪いが、そろそろ帰りたい。
部屋に置いてきた雅が気になるのだ。
鷹野は、あんな体制の仕事をしているせいで、クリスマスイブに早く帰れる訳もなく。
特に何も企画はしていなかったが、幾らなんでも、ひとりで置いておくのは無いだろう。
「え、だって、ヤれないのに行ったってしょうがねーじゃん」
“だって”
雅が、きっと寂しがる。
もう、22時を過ぎた。