日々共に一緒に笑おう
それはそうだろう。
凱司は思う。
出来ることならば、泣かせたくなどない。
「だけど、泣かれたって欲しいもんは欲しいんだ」
どう思う?
縛り上げてでもヤっちゃって良いと思う?
無邪気にも見える克己の目は、軽い口調には合わずに、真剣だった。
「駄目だろうな」
クラリネットに、バイオリンとフルートが重なり始めた。
木管の柔らかい音が、何番目かの聖歌を形作る。
「ルール違反だ」
そぉかあ、ルール違反かぁ、と頬杖をつく克己は、安堵したような顔に、飢えたような色を一瞬、よぎらせた。