日々共に一緒に笑おう


エロ可愛いアリスの後ろをついて歩く、悪そうな雄ウサギがいる、と。

校内を噂が飛び交う。


興味津々、冷やかし半分で、雅の配るべきビラは、みるみる減って行った。


一般客は、生徒の親類と、他校の生徒。

来年受験を考えているのかも知れない、中学生達。



親類と、中学生はいい。
問題は他校の男子生徒だ、と友典は目を光らせる。




「…友典さん……顔怖いです」

「…………」


くるりと振り返る度に、雅に苦笑されても、寄せられた眉は、戻らなかった。


嫌がる素振りをしていた癖に、いざビラ配りを始めた雅は、やや楽しそうで。

可愛いね、などと抜かす不埒な輩にも、くるくると無邪気な笑顔を見せる。




笑うな。
歩幅が広い。

屈むな!
首を傾げるな!


と。
言いたい事が次々と喉元にまで込み上げる友典は。

黙々と睨みをきかせて、ついて歩く。



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