日々共に一緒に笑おう


雅のラーメンは、減らない。

佑二はお構い無しに、自分の真っ当なラーメンを、口に運ぶ。




「………残していいですか」

「駄目」


「…はぃ」


ひと口、ふた口、と、くちに運ぶ雅が、何とも言えない、情けない顔をしているのを佑二は。

何か興味深いものを見るように、じっと、眺めていた。




「……不味そうだね」

「………」

「せっかく俺が作ったのに」



途端、恨みがましい、泣きそうな目をして、ヤケになったかのように器の中身を食べ始めた雅に、思わず吹き出した。



「嘘だよ、ごめん」

ちょっと貸して。
半分こしようか。



「いいです!ちゃんと食べます!」


半泣きで、器を抱え込んだ雅の頭をパシン、とひっぱたいて。



「貸せっての」

だいたい、あんた別に悪くないでしょ?

なに一生懸命になってんの。
馬鹿なの?



< 82 / 462 >

この作品をシェア

pagetop