日々共に一緒に笑おう
「友典さん友典さん、レモネード貰いました」
中庭で一緒に座りましょう?
にこり、と。
雅の目が、笑う。
紙コップに注がれたそれを1つ渡されて、腕を引かれるままに友典は。
ふと湧いた、優越感のような感覚から、慌てて目を逸らした。
周りの視線が、ちらちらと。
やや羨望を含んだような、視線。
なんだ、男付きか、と、どこからか聞こえてしまえば。
その“男”は本当は自分じゃないけれど、ちょっとくらい優越感に浸っても、バチは当たらないかも知れない、と。
目の前の雅を、眺めた。
「思ったより早く配り終わりました」
友典さんのクラスは、行かなくて良かったんですか?
にこにこと、レモネードの紙コップに口をつける雅の、髪を結う水色のリボン。
ふわりと風にそよぐのを、友典は見るともなしに、見つめていた。