日々共に一緒に笑おう
腕に閉じ込めた温もりは。
自分の命をも左右する、大きなもの。
幾度も脳裏をよぎっては、必死に振り払っていた、由紀の、肌。
上がる息遣いは章介を、溺れさせる。
絶望感と。
倒錯した強い独占欲は、章介の全てを、痺れるほどに甘く支配した。
決して触れてはいけないのに、愛してしまった、ひと。
…ひどく痛いと聞きますが、耐えて頂けますか、と。
必死に声を押し殺し、自分にしがみついていた由紀が、小刻みに頷くのを待ってから。
では目を開けてください、と、そのまぶたに唇を、寄せた。
殺される訳にはいかない、と。
そう思った。