日々共に一緒に笑おう
宇田川章介が本家にひとりで乗り込んで来た、と。
ざわり、ざわりと空気が殺気立つ。
「由紀さんを、私の妻にいたします」
宇田川章介は、男です。
後ろ盾も、親類も、財産も権力もありませんが、心に誓った女性は、幸せにしなければなりません。
「由紀さんを、頂きます」
この場で殺さないで頂きたい。
私は彼女の為に、死ぬわけには、参りません。
どうか。
どうか。
笠島の。
彼女の見合いは、白紙に戻して頂きたい。
そうでなければ、私は…あなた方の血も、浴びなければなりません。
どうか。
どうか、笠島の。
私の“男”を、認めて下さい。