ボクのお気に入り
「チッ、ここにいたのかよ。」

この人も元凶だ。

ここの屋敷の者は、頭がイカれている。

目の前にいるコイツとあの男は兄弟で、本当は幼なじみだった。

まさか、幼なじみに閉じ込められようとは思いもしなかった。

「早く戻るぞ」

嫌がるあたしの腕を掴み、無理矢理そこを離れようとした時…

「こら、海虎(カイト)。璃音が嫌がってるだろ??琴音ちゃんを見に来てただけだよ」

不敵な笑みを浮かべながら、あの男、蛍虎(ケイト)が地下に入ってきた。

その瞬間、なんともいえない雰囲気になった。

この人には昔から、独特のオーラがあった。

だから、あたしはあまり好きではない。

だからこそ困るのだ。

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