最愛HONEY
「“業務連絡”なんだけどね…」
にやける私をしばらく呆気に取られたように見ていた佐々木さんだけど…
はっと、思い出したように口を開いた。
「今日、新しいアルバイトさんが来るのよ。」
「ああ…。この前、面接に来たって言う?」
私はちょうどいなかったんだけど。
確か“講師”のほうだよね?
この塾の講師は、大半が学生アルバイト。
なかなか空きも出ないから、新人さんが入って来ることも少ないらしいけど…
「そうそう。私は今日はこれで終わりだから…お願いできる?」
…そっか。佐々木さんは、今日は早番だっけ。
新しいバイトさんの事務手続き…1人でやったことないんだよなぁ。
まぁ、後から誰か来るとは思うけど…
教わるなら、佐々木さんがよかった。…って、
いつまでも甘えてちゃダメだよね。
「わかりました。頑張ります!」
充電はバッチリだし、頑張ろう!
パワーが足りなくなったら、また龍ちゃんに補給してもらえばいいしね。
私は、笑顔で佐々木さんを送り出した。
――30分後。
「すいませーん!」