最愛HONEY
……来たっ!
えっと、書類書類…
さすが佐々木さん。
ほとんど完璧に用意してくれていた。
それを持って、私は慌てて受付へ走った。
「あの、俺…これからこちらで働かせていただく…」
「はいっ。お待ちしていました!」
受付にいたのは、スーツ姿の男の子。
さっき、履歴書をちらっと見たら私と同い年だったっけ。
ぱっと見、バッチリ決まってるように思えるけど…
着慣れていない感がにじみ出てるところが、いかにも“大学生”っぽい。
やっぱり、龍ちゃんのほうが断然カッコイイ…って、そんなことはどうでもよくて…
「研修初日ですよね?とりあえず、こちらに…」
私の仕事は、教育担当の先生が来るまでに事務手続きを済ませること!
ちゃんとやらないと…
……ん?
事務室のドアを開けて、中へと促した…のに。
男の子は一向に動こうとはしない。
それどころか、
なぜか、じーっと。
私のことを見てる…?
……何?
私、どこか変?
何かやっちゃった?
不安になってきて、自分で自分の身なりを確認していると…
「……ナオ?」
ふいに、彼が口から漏れた声。
「…え?」
「ナオ、だよな?」