最愛HONEY
5年分の秘密
「ナオ!」
――次の日。
2日連続で龍ちゃんの“愛”を受けて、またまたルンルン気分で出勤した私。
事務室の扉を開けるなり、ヤマトが笑顔で駆け寄ってきた。
「昨日は悪かったな。つき合わせちゃって」
相変わらずのスーツ姿で、申し訳なさそうに謝ってくる。
…今日も“研修”なのか。
昔話をしちゃったせいで、その格好には、いっそう違和感を感じるけど…
まぁ、お互い成長したってことだよね?
「ううん、全然。私も楽しかったし。」
そのおかげで、夫婦の愛がさらに深まったしね。
龍ちゃんのヤキモチ…
思い出しただけでも頬が弛んでくる。
「ならいいけど…帰り、大丈夫だったか?」
「え?あー…」
そう言えば…
“危ないから送る”って心配してくれたのに、断っちゃったんだっけ。
ヤマトはすごい気にしてたんだよね。
「大丈夫だよ。あそこからすぐだし…」
ヤマトと別れてすぐ、龍ちゃんに電話して迎えに来てもらったから。
「そっか?だったら…」
ごめんね、ヤマト。
ヤマトは大事な友達だけど、こればっかりは、言えないんだよね…