最愛HONEY
誤解と不意打ち
「……どうしよう?」
ヤバイよね?
バレたよね?
これってピンチだよね?
あーっ。もうっ。
頭を抱えて、私はテーブルに突っ伏した。
――夜。
家に帰ってからも、私はもうずっと落ち着かない。
行くときはあんなにウキウキだったのに…
ホントなら今頃、幸せ絶頂で「明日も頑張るぞ!」って気合いが入ってたはずなのに…
気合いどころか、ため息しか出てこないよぉ。
だって…
「バレちまったもんは、しょうがないじゃん。」
「え…?」
顔を上げれば、いつの間にリビングに入って来たのやら…
お風呂上がりの龍ちゃんがいて。
冷蔵庫から取り出したペットボトル片手に、こっちを見ていた。
「あんなとこ見られたら、さすがに言い訳はできないだろ」
平然と水なんか飲んじゃってるけど…
「なっ…なんで、そんなに冷静なの?」
私はこんなに焦って悩んで考えてるって言うのにっ。
龍ちゃんってば、その落ち着きようは何?
「バレたら困るのは、龍ちゃんなんだよ?」