最愛HONEY
――昼間。
ショッピングモールにて。
私たちは、偶然にもヤマトと遭遇してしまった。
ヤマトが見たのは、
手をつないで、寄り添って。
明らかに“デート中”の“2人”。
それどころか…
たぶん、
キスしてるところも、ばっちり見られちゃったと思う。
私たちを交互に見つめた、あの時のヤマトの瞳。
あれは明らかに…
「別にいいんじゃん?」
…へっ?
そのときのことを思い出していた私は、龍ちゃんの声で現実に引き戻される。
慌てて顔を上げれば…
「ホントのこと、話しちゃえばいいじゃん。」
さらっと、とんでもないことを言い放った。
「な…何言ってんの?そんなことしたら…」
今まで必死で隠して来たのに?
仕事だってやりにくいだろうし、みんなにどんな目で見られるかわかんないよ?
せっかく塾のみんなの“信用”を得て、任期だって残りわずかなのに…
「“友達”なんだろ?」
「え?」
「だったら、隠してるほうがおかしくないか?」