最愛HONEY
――ヤマトにキスされた。
もうずっと、
それが頭から離れない。
……今日は、
ヤマトに本当のことをちゃんと説明するはずだった。
なのに、私は何ひとつ話せなくて。
非難されて軽蔑されて、龍ちゃんのことを悪く言われて…
それを否定も肯定もできなかった私は、ヤマトの誤解を解くどころか上塗りさせてしまっただけ。
あんなヤマトを見たのは初めてだから。
戸惑ったし、怖かったし…
言われたことにもヤマトにも、私はいろんなショックを受けた。
でも…
突然の告白と、
一方的に重ねられた唇。
何よりそれが、1番ショックだった――
あの後、
どうやって帰って来たのかよく覚えていない。
家に入ってすぐ、私はベットに突っ伏して。
そして、そのまま泣きじゃくった。
「龍ちゃんとしか、したことないのに…」
龍ちゃんとしか、したくなかった。
自分でもバカみたいだと思うけど…
たとえ一瞬でも、龍ちゃん以外の人には触れられたくなかった。
「ヤマトとキスした」
それは、私の中では受け入れ難い真実。
たまらなく嫌だったんだ。