最愛HONEY



……なんて。

まさか、龍ちゃんに言えるはずがない。


それがショックで大泣きした挙げ句、泣き疲れて眠っちゃった…なんて、

絶対にバレるわけにはいかない。


「すぐご飯の支度するから…先にリビングに行ってて?」


顔が見えないように布団で隠しつつ、ベットから起き上がる…つもりが、


「寝てていいよ。自分でやるから。」


いつの間にか傍に来ていた龍ちゃんに、再びベットに倒されてしまった。


「でも…」

「具合悪いんだろ?無理しなくていいから。」


言いながら、私の頬に触れる龍ちゃんの掌。

そのやさしさと温もりに、なんだか胸がきゅーっと締めつけられた。

その手を上から包み込もうとしたとき…


「…とりあえず、俺は向こうに行ってるわ」


それはあっさり、私から離れて行った。


「俺のことは気にしなくていいから。ゆっくり休んでろ。」


ポンポンと。私の頭を撫でて、さっさと部屋を出て行く……って、ちょっと!

なんか冷たすぎない?

そりゃ、ほとんど仮病みたいなもんだけど、なんかもっとこう…

不満を込めて、立ち去る背中を睨んでいると……


「…あ、そうだ。」


念力が通じたのか、龍ちゃんが振り返った。



「消毒するの忘れてた」

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