最愛HONEY
“消毒”…?
何それ?なんて聞く暇もなく、龍ちゃんが近づいてきて…
「……っ!?」
何の前触れもなく、いきなり唇が重なった。
な…何っ?やっ…
一瞬、ヤマトとのキスが蘇ってきて、思わず押し退けそうになったけど…
「……んっ」
柔らかく、包み込むように触れる感触も。
心地よい温もりも。
それはすべて、私の唇に刻み込まれているものだったから。
それを認識した途端、私の身体は一切の抵抗を忘れた。
黙ってそれに酔いしれる。
「……っ」
ただ触れるだけなのに、長いキス。
いろんな角度から何度も。
まるで唇全体を捉えようとしてるみたいに、龍ちゃんはキスを続けている。
……どうしたんだろ?
龍ちゃんらしくない。
そもそも、こういうキスはずいぶん久しぶりって言うか…初めてかも。
龍ちゃんがこんなに“おとなしく”キス“だけ”をしてくるなんて…あり得ないもん。
でも…
なんだかすごく幸せ。
同じキスのはずなのに、
ヤマトのとは全然違う。
それは…
「……これでよし。」